Archive for the ‘医療コラム’ Category
ひどい「いびき」改善
平成29年2月 4才男の子
1年位前よりイビキの音が大きく特に最近はひどいとの事。ほぼ毎夜続くので両親も目覚めてしまう程酷い。
治療は子供なので筋肉の緊張をとる目的で背腰部を中心に手足の外側に散針をしてその日の夜よりほとんどイビキはしなくなる。3週間経過するが異常なしとの事。
百会穴(ひゃくえけつ)のツボ
両耳から上方に向かっていく線と鼻から真上に向かっていく線の交わったところが百会と言います。
ここは陽経のツボの代表的なツボのひとつです。陽経ですから陽気が集まりやすくなります。
又人間は常に頭を使っていますから、頭が熱化しやすいのです。それはコンピューターと同じでその部屋は一定の温度に保っておかないと、熱くなりすぎてパンクしてしまいます。上が熱ければ熱いほど下が冷えます。人間も頭を冷やして熱を下げ上下のバランスをとるのです。頭寒足熱ともいいます。イライラしたり、怒ったりしている時は気が上昇していますから、頭に血が充満した状態で熱くなっています。
その時に百会に鍼をして気を下に下げ熱をとります。そうするとバランスがとれ脳卒中の予防にも繋がるのです。自分でやる場合は指先を立てて少し強めに圧迫するといいです。スーとして気が下がったら大丈夫です。
予防には散歩がおすすめです。歩くと気が下がります。世の中にはイライラすることが多いですが、少しでも気をつけて気を下げるようにして、体のバランスをとることができたらとおもいます。
家庭でできる乳幼児の予防治療
乳幼児はまだまだ内臓が完全に発達していないので大人にやるような鍼はつかいません。
そこで鍼に代わるものを使い皮膚を刺激します。一般的に子供は大きい病気はしません。
日常的には風邪、便秘、下痢、夜泣き、癇の虫等がほとんどです。
乳幼児は生まれて間もないので、陰と陽に分けると陽にはいります。成長が激しいので陽です。
その陽が極端に激しくなると熱が上に昇ります。上半身が熱く下半身が冷たくなります。
その状態が癇の虫であり夜泣きとなります。
そこで鍼の代わりになる冷たい金属で刺激して上に昇った熱を下げます。
それはスプーンが割と使いやすいです。
その丸い部分を使い頸の後下から背骨の上を尾骨に向かって5センチぐらいずつ、軽く擦っていきます。
次に背骨の右側、左側と続けて擦ります。
時間は3-5分位か、皮膚が赤くなれば終わりです。
手足も膝肘から指先に向かって外側を擦ります。
これらは胃腸にも良いので便秘にも良いです。是非共試してみてください。
必ず良い結果がでます。
注意
風呂の1時間前後はしない方が良いです。
足三里(あしさんり)のツボ
俳人松尾芭蕉の奥の細道に旅する前に必ず足の三里にお灸をしてから行きました。そうすると三里、今で言うと12キロ位歩けるのと、三里は胃にも通じているので腹を壊さない予防の意味もあります。昔の旅は大変なので途中で歩けなくなっては人手を煩い、腹を壊しては歩けません。今でも三里は胃腸を丈夫にし、健脚にも良いと言うことで有名なツボで使用頻度は多いほうです。場所は膝下外側10センチ位の所にあります。左右に半米粒大の大きさの艾で3~5壮位据えます。熱いですが自分でできる最高の予防治療です。
乾布摩擦、家庭でできる風邪予防
和式手ぬぐいの端を両手で持ち背中を洗うように擦ります。腹は時計回りに擦ります。それから手の内側外側、足の内外側をこすります。それぞれ20へ30回すると少し赤くなります。やる場合は風呂に入る1時間前後はしないように。これは昔流行していた時もあり、それなりに子供の健康の為に小学校でもやっていました。
今は色々な方法が出てきてやらなくなりましたが、これは単純でだれでも直ぐにできる方法なのでおすすめです。
皮膚は内臓の鏡といいます。皮膚が丈夫になれば内臓も丈夫になります。寒くなる前から準備しておくといいです。
お灸の効果
喘息大人治療
喘息 60代女性 平成27年2月
50代より咳が出はじめ、耳鼻科に通うがなかなか治らないので他の耳鼻科に行くと副鼻腔炎といわれる。毎年数カ月単位で耳鼻が詰まったり、咳が出て喉がすっきりしない症状が続く、一時咳が出て眠れない時もあった。又たばこを吸う人の中で10年以上も仕事をしていた。
診ると背腰部の張り、胃土、右脾募に邪があり左心兪実、脾兪実、肝兪虚、果物大好き元々せっかちな性格上氣が上昇しやすいタイプで、冷たいものを取り続け又空気汚染により、氣が上昇しやすいし状態になり症状が出たと判断。穴は左心兪、肝兪、合谷を治療し少し臭いがでる。咳は変わらず、2回目に右内間を使い右脾募、胃土に打針治療、3回目に味も分かり胸部のひゅう音は良くなる。4回目に来た時は咳痰は半分、味臭いはほぼ正常、その後数回の治療でほぼ完治したかに見えたが又再発し治療を継続していくうちに7月ごろはほとんど咳は出ず鼻付近に少し違和感があるていどで、調子は良いとの事。11月頃にはまだ完璧ではないが多少の咳が出、喉の違和感もあるが状態は良い方であり、月2回位のペ–スで治療に通っています。
認知症と運動
50年位前私の周辺では認知症とみられる人を見た記憶はほとんどありません。ここ10~20年位の間に主に先進国に多く見られ益々増加傾向にある様で、50代で発症している例もあります。又認知症は20年位かかってなると言われています。医学的に認知症を治す薬はなく予防法として様々な方法があります。アメリカの専門家によると週3回の早歩きを30~40分続けると、脳の海馬が増加し認知症になる人が3割減るそうです。これが一番いい方法です。
他に乳製品、野菜、魚、海藻類を摂ると良いようです。つまり和食です。昔の人は不便な生活と質素で自然な食事をしていました。そこには毎日歩かなければならず、自然と肉体を動かすことによって脳にも刺激がいき、又自然な食べ物を摂ることによって内臓に負担をかけなかったのではないかと思います。便利な生活になると人間の体の一部が衰え、飽食になると内臓が傷み、病気になりやすくなると考えられます。
今は非常に便利で快適な生活ができます。そうなればなるほど認知症も含め様々な病気が起こる可能性が増大しているのです。
パニック障害の治療
平成27年5月 パニック障害 30代男性
5年前飲食店に上司にむりやり食事に誘われ時に、嘔気が生じ手が震えるようになる。それから家族との外食でも同じようになり、最近は仕事が終わった後に手の痺れ、過呼吸、耳鳴り、めまいがし酒を飲んでも眠れない。他に下痢が10年位続く。診ると瞼戦、舌戦少しある。外反母趾脾募、脾愉、腎愉、胃愉虚、舌右辺苔薄い、肝気虚、脾虚と判断し百会、右公孫に鍼をする。その日より眠れるようになり、下痢もやや塊ができてくる。食欲が出て外食1回するが吐かず調子は良いとの事、4回治療その後来院せず。
左五十肩と両手の指へバーデン結節の治療
左五十肩と両手指へバーデン結節
平成27年1月 60代女性
1ヶ月前より左肩の挙上困難と夜間痛がありなかなか治らない。又5年前より両手指へバーデン結節ができ、朝起きたとき手指のこわばりがあり、腫れて痛い、身の周りの人の世話が続けざまにあり疲労がかさなる。全体に背部の筋肉は硬く、指の結節圧痛もある。肝気の不疏のために筋が硬くなり、気血の流れが悪くなり痛みが発症したものと診る。左足の太衝に鍼をし筋を緩め、指の腫れをとるために直接指の関節に鍼をする。3回の治療で肩の痛み、動きは9割方とれて、朝の手のこわばりもなくなる。まだ手指の痛みは少し残る程度で、その後時々診る程度で順調に回復。
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