子供の患者の症例
疳の虫（かんのむし）で来院された症例 3歳の男の子
2週間前引越してきてから母親が少しでも見えないと泣き、
気にいらないとヒステリックになり、物を投げたりし、
夜はすぐに目覚め泣き叫び、なかなか止まらない。
食欲あり、なんでも食べるがチョコレートが好き
ポカリスウェットも飲むので、それはよけいに興奮させるので禁止させる。
小児針を背部を中心にやると、その日は良く効いてぐっすり眠った。
その後何度か泣いたりしたがその都度針をしたら治る。
その後ほとんど出ないで済んでいる。
原因不明の全身の痛みで来院された症例 10歳の女子
１月中頃、突然後頚部が痛くなり、そして頭と腹が同時に痛みだす。
夜は眠れるが、朝起きてから痛くなり１日中つらい、食欲も落ちる。
１か月以上続き病院に行ったが治らず原因不明との事。
診ると顔紅く、足冷たい、脈速く舌尖紅い、触れる処全て痛がる。
性格的に何でも頑張る方で家でも学校でも一生懸命にやるほう。
状況から判断すると筋緊張性の痛みで、肝気が熱と化し鬱滞したためになり、
気血の循環が悪くなり発症したものと考えられた。
治療は、熱をとり気血の廻りを良くし、緊張をとるのを目標に
頭の百会（ひゃくえ）、手の後谿（こうけい）、背の身柱（しんちゅう）、
刺絡として手の少沢（しょうたく）に鍼をする。
その他、その都度ツボを変え３日位あまり変化なく
４日目に脈の変化が表れ、その夜から痛みが緩和しだし
５日目には８割位とれ、その後、時々痛みは出るが治療することによっておさる。
現在は学校でも家でも元気にしているとの事。
注意としてあまり熱中しすぎない事と、時々ゆっくり休む事が必要と伝えた。
夜泣きで来院された症例 1歳の双子の赤ちゃん
この1年間夜泣きがひどく泣いたら泣きやまず１晩に４回位ある。
毎日続くので両親とも疲れ気味で休めず困りはてて来院する。
片方が泣き始めると、もう一人も泣く。２人共コロコロ便で寝相が悪い。
昼も寝るときは泣く。２人共おっとりとした感じであるが、落ち着かない感じがある。
治療は主に背部に散針を数分する。其の日はいつもより泣かず、
２回目の治療した夜は１人は１回も起きず、もう１人は少しぐずる程度で寝てしまう。
日中もあまり泣かず機嫌は良い。
３回目の治療でしばらくは大丈夫であろうとの事で次に泣いたらまた来る事で終了。
両親もほっとする。便秘もなおる。
強烈な疳の虫（かんのむし）で来院された症例 女 幼児
初診 24年12月
生後数カ月より夜中に1時間毎に起きて泣いていた。
最近は1回位だが何かをしていて気にいらないと叩いたりし泣き叫びなかなか止まらない。
食事中も落ち着かず1日中動きっぱなし、朝目覚めにも必ず泣く。便はコロコロ。
診ると、頬部赤く、側腹部張り背腰部も左側が張る。
治療は肝気が強いと判断し、最初は腹部打針をし、少しはよくなるがギャーと泣くのは変化なし。
4回目より腹の左章門穴、左足太衝穴に刺鍼する。
次回より泣いても短く、朝の目覚めもよくなる。
10回位治療し、ほとんど泣かなくなったので、しばらく様子を見ることにし終了。
花粉症で来院された症例 12歳 男
初診 25年3月
3歳頃より、くしゃみ、鼻水、目のかゆみあり。ひどいと夜鼻水がつまり眠れない時もある。
杉、ヒノキ、ブタ草にアレルギー反応があるとの事。
診ると冠の部位に反応があり、肝の気実と判断し左の背の肝愉穴に針をする。
2回目来院した時はくしゃみは一時減るがまた戻る。
合計3回治療しほとんどくしゃみが出ず鼻もかまず良好との事。
アトピ－性皮膚炎で来院された症例 5か月
初診 25年5月
生後3か月目より湿疹が、頭、耳の前後、頭の付け根、足首付近にあり、又背部、手足がガサガサし乾燥している。
ひどくなったのでステロイドを使用中との事。母親も生まれつきアトピ－性皮膚炎である。
肝うつ火化、内風と診立て、銀の鍉針で百会、太衝、肝兪に軽く1~2分位する治療を合計4回でほぼ完治。
アトピー・疳の虫・永久歯が生えないで来院された症例 10歳 女
初診 26年5月
最近疳の虫がひどく毎日のようにぎゃーと４０分位さわぐのが続く。又アトピーも５歳頃よりあり手足がかゆく、ステロイドを使う。歯の欠損も６本あり、永久歯が現在６本しかない。ここ２年間歯は全く抜けていない。診ると身長も弟より低く、食欲細く栄養不足気味、体温も低い、これは腎の陽気不足の為栄養が吸収できず発育不全になり、様々な症状がでているものと判断する。治療は肝の抑えに百会腹の脇を打鍼、右腎諭を金のテイ針で補う。他に随時肝ュ、太衝、昭海、合谷、三陰交を使う。半年位の間に歯は４本抜け２本生えてくる。疳の虫はだいぶ治まる。アトピーもステロイドを使わなくてもいい状態になる、食も以前よりも多く食べられるようになり、体重も２キロ増え調子良好な状態が続く。
